資生堂ギャラリーは1919年の設立以来、「新しい美の発見と創造」という理念のもと活動を続け、ジャンルを問わず多くのアーティストを輩出してきました。2006年からは、新進アーティストを応援する公募プログラム「shiseido art egg」を開催しています。これまで延べ51名(組)の入選者が個展を開催し、その後もそれぞれが活躍の幅を広げています。
感染症や災害、AI技術の急激な進化などにより、世の中の変化を予測しにくいVUCA(ブーカ)な現代。私たちは、これまで疑いようのなかった既成概念や慣習の変化と向き合いながらも、美しく健やかな未来を願っています。shiseido art eggでは、こうした思いに共感し、人々に新たな美的経験をもたらす実験精神に満ちたアーティストを応援していきます。
2022年「Picturing the Invisible」王立地理院、イギリス
2020年「ヨコハマトリエンナーレ2020」神奈川
2015年 VOCA展2015 「大原美術館賞」受賞
自分にとってはshiseido art eggの展覧会はキュレーターと一緒に展示を作る初めての経験でした。しかも、一人の作家に一人のキュレーターが付き、そのアドバイスやサポートはとても貴重でした。まだ展示の経験が少なかったときに、頭の中のアイデアを高い完成度で現実の展示に作り上げることに必要な過程を経ることができたのは非常に良い経験でした。 また、普段一人の活動が多かった自分にとっては他の入選者がある種の「同期」となり、過去に排出されていった先輩アーティストや学芸チームのみなさんがひとつの心の拠り所になったのも案外嬉しいことでした。
2022年「瀬戸内国際芸術祭2022」豊島 甲生地区、香川
2021-2022年「アペルト15 冨安由真 The Pale Horse」金沢21世紀美術館、石川
資生堂ギャラリーは銀座の一等地にあり、普段から素晴らしい企画展示をされているので観客の関心も高く、そこで展示をするには通常かなりのキャリアを積んでからでないと難しいですが、shiseido art eggはキャリアのまだ浅い作家にも機会が開かれている貴重なものになります。私がshiseido art eggで展示をした時は、無名だったにも関わらずSNSで話題となり、連日本当に多くのお客さまがいらっしゃいました。そこから認知度が上がり、その後のキャリアの発展に大きく影響しました。また、審査員の方々や学芸員の方々、他の歴代の作家さんたちとも繋がる良い機会となり、その後も関係を続けさせていただいております。大きなギャラリー空間での展示は、自分自身の制作・展示のスキルアップという点でも大変勉強になりました。多くの作家さんにご挑戦をお勧めいたします。