開催中の展覧会

空想の宙(そら) 「静寂を叩く」 大乗寺十三室|十文字美信

空想の宙(そら) 「静寂を叩く」 大乗寺十三室|十文字美信

会期: 2024 年 8 月 27 日(火)~ 10 月 20 日(日)

資生堂ギャラリーは、2024年8月27日(火)から2024年10月20日(日)まで「空想の宙(そら) 『静寂を叩く』 大乗寺十三室|十文字美信」展を開催します。

写真家・十文字美信氏は、古くからの日本の伝統文化に向き合い、そこに底流する普遍的な価値をとらえようと試みてきました。写真を通じて自身の経験や記憶を掘り下げ、独自の思考をめぐらせながら、時を超える「日本の美」を表現し続けています。 

本展では、十文字が撮り下ろした大乗寺客殿(兵庫県美方郡香美町)の写真を、その特徴ある客殿空間を再構成した大型インスタレーションにより展開します。大乗寺は円山応挙とその一門が描いたとされる襖絵で知られます。十文字の独自のまなざしが生みだす新たな空間は、かつて応挙らがつくり上げた仏教的世界観を包み込みながらも、驚きに満ちた体験をもたらすことでしょう。

孔雀の間 円山応挙 

孔雀の間 円山応挙 

なお、本展に合わせ、世界88の国と地域で展開する「SHISEIDO」の最高峰ライン「フューチャーソリューションLX」が十文字とコラボレーションを行います。本コラボレーションは、日本の美意識や自然観をたずね、未来へと時を超える美の体現を目指す「フューチャーソリューションLX」が、十文字が美をとらえようとする姿勢に共鳴したことにより実現しました。「フューチャーソリューションLX」の世界観を十文字が撮り下ろしたビジュアルを制作、今秋「SHISEIDO」の公式SNSより発信予定です。

SHISEIDO公式Instagram

作家プロフィール

十文字美信

1947年生まれ。フォトグラファー。1971年に独立。デビュー作「UNTITLED」(首なし)シリーズは、1974年ニューヨーク近代美術館で
開催された「New Japanese Photography」展に出展。日本写真協会新人賞、伊奈信男賞、土門拳賞、日本写真協会作家賞、ADC賞などを受賞。資生堂では、「シフォネット」連作広告、「ゆれる、まなざし」の広告の他、企業文化誌『花椿』など多数の撮影を手掛ける。

展覧会のみどころ

みどころ① 大乗寺客殿の特色ある空間を独自に再構成

大乗寺客殿は、円山応挙とその一門によって描かれた障壁画による各部屋が世俗的な世界と神聖な世界とを仲介する一種の立体曼荼羅として知られています。建物中央に位置する仏間には、十一面観音像が設置され、仏間を囲む11の部屋と2階の2間の165面に及ぶ障壁画は、それぞれの部屋のストーリーと機能性を併せもつ連続的な空間性に卓越した特徴があります。

本展は、二世紀以上前に応挙がディレクションした大乗寺客殿の空間を十文字美信が撮り下ろし、時空を超えたイメージの巨大なインスタレーションを構成します。神聖な空間の沈黙は破られ、観る者の心が揺さぶられることでしょう。

みどころ② 円山応挙「松に孔雀図」の細部を間近に

大乗寺客殿の中で最も広い部屋が「松に孔雀図」の障壁画がある部屋です。十一面観音像のある仏間を開閉する襖には、応挙による松と孔雀がほぼ原寸大で描かれています。本展では、この障壁画を原寸以上のサイズでギャラリー空間に展開します。そこには、応挙の迫力あるリアリズムを伝えるとともに、人間味のあるブラシストローク、時の経過とともに異次元映像が出現する深い没入感をもった十文字のまなざしを間近に体験できるでしょう。

みどころ➂ 連続する空間のイリュージョン

大乗寺客殿は、襖の開閉により次々と障壁画が変化し、描かれた世界がいくつものレイヤーで絵画の内側と部屋の外側の自然風景へとつながっていく総合的な芸術空間でもあります。十文字は、今回全ての部屋を自然光で撮影し、絵画空間のわずかな気配や微妙な動きをとらえようとしています。絵画の繋ぎ目が生み出す変化の豊かさや、襖が開かれて奥の部屋へと連続していく絵画的なイリュージョンが大乗寺の芸術的魅力を解き放つことでしょう。ギャラリー内に再構成された大乗寺の絵画空間は、そこに蓄積された時間の感覚をも顕わにします。

参考作品画像

郭子儀の間 円山応挙

郭子儀の間 円山応挙

猿の間 長沢芦雪

猿の間 長沢芦雪

猿の間 長沢芦雪

猿の間 長沢芦雪

鯉の間 円山応瑞 亀

鯉の間 円山応瑞 亀

鯉の間 円山応瑞 鯉

鯉の間 円山応瑞 鯉

関連企画

十文字美信 ☓ 伊藤俊治 クロストーク 静寂を叩くー日本の美と場を巡って

日時:9月7日(土)16:00~17:30 (開場は30分前)
会場:資生堂花椿ホール(資生堂銀座ビル3F)東京都中央区銀座7-5-5
定員:120名(事前申込制、先着順)※定員に達したため申し込みを締め切りました。
参加料:無料
イベント詳細:https://gallery.shiseido.com/jp/exhibition/event/

Special Live「静寂を叩くー波紋音(はもん)のしらべ」

日時:9月20日(金)19:00~20:00
演奏終了後、30分ほど出演者との交流や本展の鑑賞をお楽しみいただけます。
会場:資生堂ギャラリー(東京銀座資生堂ビルB1F)東京都中央区銀座8-8-3
参加料:無料
予約:不要
イベント詳細:https://gallery.shiseido.com/jp/exhibition/event/#blk_Live

空想の宙(そら) 「静寂を叩く」 大乗寺十三室|十文字美信 開催概要

主催 株式会社 資生堂
特別協力 亀居山大乗寺
協力 SHISEIDOフューチャーソリューションLX、株式会社 トライ・トライ、有限会社 仕掛屋、株式会社 イメージスタジオ・イチマルキュウ、株式会社 アフロ
協賛 富士フイルム株式会社
会期 2024年8月27日(火)~10月20日(日)
会場 資生堂ギャラリー
〒104-0061 東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
tel. 03-3572-3901 fax. 03-3572-3951
開館時間 平日 11:00~19:00
日・祝 11:00~18:00
休館日 毎週月曜休 (月曜日が祝日にあたる場合も休館)
入場料 無料

資生堂ギャラリー公式アカウント