資生堂ギャラリーでは2016年4月28日(木)から6月19日(日)まで「椿会展2016 -初心-」を開催します。「椿会」は、1947年から続く資生堂ギャラリーを代表するグループ展です。時代とともにメンバーを入れ替えながら、70年近くにわたり継続してきました。
第七次椿会は、2013年に赤瀬川原平、畠山直哉、内藤礼、伊藤存、青木陵子の5名で結成されました。同じメンバーで2017年まで年1回の展覧会を開催します。「初心」というサブタイトルは、「3.11」から復興していく過程において、初心を問い直す時期にあるのではないかとメンバーと共に話し合い、決めたものです。「初心」とは、「何かをやろうと思い立った当初の純真な気持」(三省堂『新明解国語辞典』より)。「初心忘るべからず」は、芸の知恵を説いた世阿弥の書に、人生の様々な段階において未経験のことに挑戦していく心構えであることと記されています。
展覧会のロゴは、常に「初心」に立ち返る象徴として、グラフィック・デザイナーの仲條正義が毎年新たにデザインしています。
本展は、第七次椿会の4回目の展覧会となります。昨年、椿会で初となるダンスの分野から、島地保武(ダンサー・振付家)が新たなメンバーとして加わりました。今回島地は、自身初となる造形作品を展示すると同時に、会期中に関連企画としてパフォーマンスを行う予定です。昨年9月から今年の2月まで文化庁文化交流使としてメキシコに滞在した畠山直哉は、同地で撮影した風景作品を発表します。そして、内藤礼は、2013年の初回に初めて「color beginning」と名付けた絵画のシリーズをはじめとする平面・立体の新作を展示予定。伊藤存は、銀座周辺で行った生き物調査(昆虫採集など)をもとにしたドローイングのアニメーションを展示する予定です。青木陵子は、椿会の他のメンバーとやりとりしながらzine(冊子)を作ります。また、zineと並行して自身の作品も制作する予定です。赤瀬川原平は、2014年には90年代、2015年には80年代と、作品の制作年代をさかのぼって展示してきましたが、今回は70年代のペン画を展示する予定です。
今回の椿会展も「初心」をテーマに新たに制作、選んだ作品がならびます。ぜひご期待下さい。
なお、同時期に資生堂銀座ビル、SHISEIDO THE GINZA、東京銀座資生堂ビルでは、資生堂ギャラリーを創設し写真家としても活躍した、初代社長・福原信三と弟・路草(ろそう)の写真を中心とした展覧会を開催いたします。
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