資生堂ギャラリーでは、2013年4月12日(金)から6月23日(日)まで、「椿会展 2013 -初心-」を開催します。
「椿会」は、第二次世界大戦で一時中断していた資生堂ギャラリーの活動を、1947年に再開するにあたり誕生したグループ展です。資生堂のコーポレートマークである花椿にちなんで「椿会」と名づけられ、以来、時代とともにメンバーを入れ替えながら、資生堂ギャラリーを代表する展覧会として、70年近くにわたり継続してきました。2010年に終了した第六次椿会まで、合計80名の作家に参加いただきました。
本年より、新たに第七次椿会がスタートします。メンバーは、赤瀬川原平、畠山直哉、内藤礼、伊藤存、青木陵子の5名です。メンバー全員が出展する展覧会を、本年より年1回、5年間継続して開催します。
メンバー選出にあたり、強く意識したのは「3.11」です。3.11以降、私たちをとりまく社会環境は大きく変わりました。アートのあり方について再考察しようという動きが生まれ、アートの意義について、様々な場所で議論されるようになりました。5名のアーティストたちは、それぞれ違った立場や場所で3.11を経験しました。私たちは第七次椿会を、世代、性別、活動の拠点、表現の方法も異なる多才なアーティストたちが集い、5年という時間を通し、アートについてじっくりと考える場にしたいと考えています。
「椿会展」の後に続くタイトル「初心」は、第七次椿会で5年通して追求するテーマです。「初心」とは、「何かをやろうと思い立った当初の純真な気持」(三省堂『新明解国語辞典』より)。また、「初心忘るべからず」は、芸の智恵を説いた世阿弥の書に、人生の様々な段階において未経験のことに挑戦していく心構えであることと記されています。誰もが予想もしなかった大災害を経験したあと、ふたたび立ち上がり前に進んでいく過程において、初心とは何か、ものづくりのきっかけは何だったのかを問い直す時期にあるのではないかという認識から、メンバー全員で決めました。なお、展覧会のロゴおよびグラフィック全般は仲條正義氏のデザインになります。展覧会ロゴは、5年間毎年変化します。
本展では、各アーティストが「初心」というテーマをふまえ、それぞれの現在に呼応する作品を展示いたします。新メンバーでつくりあげる「椿会展」にぜひ、ご期待下さい。