資生堂ギャラリーでは、日本・韓国の若手作家による二人展「Not so Smooth 三田村光土里×孔 成勳(コン・ソンフン/Sung-Hun Kong)」を開催します。
資生堂ギャラリーではこれまでも東アジアの現代美術の紹介に力を入れてきました。本展もその一環として企画したものです。同時期に銀座を中心とした都内11の画廊で11人の韓国人作家を紹介する「eleven & eleven」展※に合わせ、日韓二カ国から二人の作家を紹介します。
過去の展覧会
「Not so Smooth 三田村光土里 × 孔 成勳」
会期: | 2002年7月23日(火)〜 8月15日(木) |
■三田村美土里
三田村光土里は1964年生まれ。自分の家族や自分が過ごした土地などを撮影した写真と、机やベッド、本、衣服といった思い出の品々とを組み合わせるフォト・インスタレーションを展開しています。三田村の作品に登場する人物は、ごく平凡な人たちです。平凡とはいえ、決して平坦な人生ではありません。誰にもほろ苦いエピソードの一つや二つはあるものです。三田村の作品には「人生なんてそんなものさ」とうそぶく、飄々とした軽やかさが漂います。本展では、ピアノをめぐる姉との思い出にもとづいた新作「バイエル」を発表します。三田村自身が奏でるぎこちないピアノの音も会場に流れます。
■孔 成勳
一方、今回日本で初めて紹介する孔 成勳は1965年生まれ。近年は身の周りのありふれた風景を油彩で描いていますが、本展では数年ぶりの新作マルチスライド・インスタレーションを発表します。孔の作品は、何十台ものスライドプロジェクターをタイマーで連動させ、パラパラマンガのようにコミカルな動きを見せる人間像(孔自身)を壁一面に映し出すというものです。ぎくしゃくとうごめく孔の姿は、さまざまな問題を抱えながら現代社会を生き抜く人間の姿を戯画化しているかのようです。
三田村と孔の二人は、独特のユーモア感覚で現代人の「決して順風満帆とはいかない人生」(=Not so Smooth)の内実を表現しているといえるでしょう。
※「eleven&eleven」展は、5月30日〜6月30日までソウルの省谷(ソンゴク)美術館で日本人11作家、韓国人11作家の現代美術作品を展示し、7月22日〜8月3日(会場によって異なる)まで銀座を中心とする都内11の画廊で韓国人作家11名の作品を紹介する日韓交流事業。