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「SARAÇA VISION」

会期: 2003年10月4日(土)〜 11月1日(土)

更紗とはインドで生まれた草花や鳥、動物などの紋様染めのことです。同じ紋様が繰り返し増殖していく様式は、輪廻転生のように、無限に再生する生命観を表現したものと考えられています。この様式は洋の東西を問わず伝承され、人々をつなぐ一種の国際的な視覚言語となっています。更紗の語源については諸説ありますが、サンスクリット語では「サ」は「中に含む」、「ラサ」は「本質、真髄」という意味があり、更紗とは「本質を含んでいる」ことを示すとされています。「SARAÇA VISION」はこの更紗の力に着目し、更紗を新しい眼差しでとらえ直し資生堂ギャラリーと東京銀座資生堂ビルの各フロアを結びつけ、ビル全体で「生命の再生」というメッセージを発信しようとする試みです。ファッション・クリエーター伊藤佐智子氏を総合ディレクターに迎え、資生堂スタッフとのコラボレーションで開催します。

メイン会場となる資生堂ギャラリーでは、陣羽織やドレス、儀礼布や断片など、東西に転生した約200点に及ぶ更紗を展示。なかにはめったに目にすることの出来ない貴重なコレクションも含まれています。更紗を鏡と組み合わせて過去と未来を行き来する無限の時間の流れを演劇的に演出し、さらに映像・照明・音楽などを加えて、博物学的に更紗の歴史を紹介する通常の美術展とは異なる空間構成を行います。また写真家・上田義彦氏とのコラボレーションにより実現した、更紗をまとった日本の老婦人、インドネシアの老翁の巨大な肖像写真も展示、老人が秘めた生命力と、何世紀もの間伝えられてきた更紗の持つ生命力とを融合して見せます。

ギャラリーの展示と連動して1階プラザではウィンドウディスプレイを更紗で統一、ユーラシア大陸をイメージした音楽を流し、壁面にインドネシアの力強い舞踏の映像を投影します。毎週水曜日には更紗をまとった舞踏家・元藤子氏のダンスパフォーマンスも開催します。またプラザショップでオリジナル・ミュージアムグッズを販売するほか、資生堂パーラー、ファロ資生堂では、シェフが更紗からインスパイアされた特別メニューなどを提供、ワード資生堂では、舞踏評論家の松本亮氏がワヤン(インドネシアの影絵)を上演しその歴史について語る「ワードフライデイ」SARAÇA VISIONスペシャルを開催します(WORDメンバーズ限定プログラム)。

ギャラリートーク

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