資生堂ギャラリー(銀座8丁目)とハウス オブ シセイドウ(銀座7丁目)は、このたび初の両館合同の企画展として「都市に生きるアール・デコ」展を開催します。
1920年代から30年代、装飾デザイン様式として世界に広がったアール・デコは、80年近くを経た今も色あせることなく、各国で独自の展開をみせながら、脈々と息づいています。本展は、世界の様ざまな都市で生き続けるアール・デコを、その特徴的な様相が最も顕著に表れる建築物やインテリアを通じてご覧いただく展覧会です。
資生堂ギャラリーでは 数ある「アール・デコ」様式の建築のなかから、都市の象徴ともいえるホテルにスポットをあてて紹介いたします。非日常の空間でありながら、日常のくらしの延長でもあるホテルという場だからこそ、機能性と装飾性というアール・デコ様式の特徴を色濃く残しているのです。
ご案内役を務めるのは、一級建築士であり写真家・紀行作家でもある“稲葉なおと”。稲葉は、世界11都市のアール・デコ様式のホテルに滞在し、作品を撮りおろしました。本展では 膨大なフィルムの中から選びぬいた約180点の作品を、数都市ずつ組み合わせ、下記のスケジュールで2週間ごと4回に分けて展示します(上海の写真はハウス オブ シセイドウ2階で展示します)。さらに、撮影中に現地で録音した音もあわせてご紹介。アール・デコ・ホテルを巡る世界旅行と、時間旅行をお楽しみください。
また、ハウス オブ シセイドウでは 銀座第一号のアール・デコ様式の建築である、資生堂竹川町店(化粧品部・1928年)を中心に銀座と、上海のアール・デコ様式を取り上げます。
多岐にわたるデザインが氾濫する今だからこそ、本展は、美と機能を両立させるアール・デコの精神を、改めて見直す好機といえます。是非両会場にお運びください。