いま、私たちを取り巻く世界はこれまでになく不安定で、そこには多くの課題が横たわっています。こうした今日の世界のなかで、アートはどのような役割をはたせるでしょうか。
資生堂は、今年「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(ビューティーイノベーションでよりよい世界を)」という新しい企業使命を定めました。アートによってもたらされる美しい出会いや経験は、私たちの生き方や考え方の一つの案内役になるかもしれません。それは、たとえ日常の小さな一部であったとしても私たちの行動を変えていくイノベーションにつながるものと考えます。今日の世界を美しくよりよくするのは、私たち自身の行動だとも言えないでしょうか。
資生堂ギャラリーは、1919年のオープン以来「新しい美の発見と創造」という活動理念のもと、アートによる美しい出会いや経験を人々に提供する活動を続けてきました。
shiseido art egg(シセイドウアートエッグ)は、2006年にスタートした公募プログラムで、瑞々しい新進アーティストによる「新しい美の発見と創造」を応援するものです。入選者は資生堂ギャラリーで開催される通常の企画展と同様に、担当キュレーターと話し合いを重ね、ともに展覧会を作り上げます。
第13回目となる本年度は、全国各地より269件の応募をいただきました。今回も資生堂ギャラリーの空間を活かした独創的なプランが多く提案されましたが、選考の結果、独自の視点から今日の世界の新しい価値観や美意識を表現する3名、今村 文(いまむら ふみ)、小林 清乃(こばやし きよの)、遠藤 薫(えんどう かおり)が入選となりました。
入選者の個展を2019年7月5日(金)~9月22日(日)にかけて、それぞれ開催いたします。次代を担う3名の新進アーティストたちの個展に、ぜひご来場賜りましたら幸いです。
なお、今年度のshiseido art egg賞※の審査員には、今日のクリエイティブシーンで活躍するプロフェッショナルとして、有山 達也(グラフィックデザイナー)、住吉 智恵(アートプロデューサー/RealTokyoディレクター)、小野 耕石(美術家/版画家)の3氏をお迎えし、審査を実施します。
※3名の入選作家の展覧会のなかから、資生堂ギャラリーの空間に果敢に挑み新しい価値の創造を最も感じさせた作品に贈られる賞。本年度は10月頃に資生堂ギャラリー公式ウェブサイトで受賞者を発表予定。